ハマキヨロングインタビュー〜その1〜
10月の某日、都内にハマキヨの二人を呼び出して、突撃インタビューを決行!!
「今年ハマキヨは13回目を迎えますが…まずは意気込みを聞かせてください」
ハマ「去年12回の時にね、意気込みすぎたら膵炎(すいえん)になっちゃったからね(一同爆笑)、今年は意気込みすぎないようにしています(笑)」
キヨ「ははは…あれって去年だったっけ…やめるか、やめないかってなったもんね…」
ハマ「公演中止か!ってとこまでいったからね」
キヨ「そうだよ、だめだよ〜(笑)」
ハマ「だから今年は、“踏ん張り温泉”みたいなぬるい感じで…」
キヨ「踏ん張り温泉って…(笑)」
ハマ「踏ん張ってるけど、温泉浸かってるみたいなさ…(笑)」
「ぬくぬくと?」
ハマ「あんまりぬくぬくしてるとおこられちゃうからさ(爆笑)でも、踏ん張ってますよみたいなさ、今年は僕はそんな感じで…」
「キヨちゃんは?」
キヨ「僕はね…ハマキヨってさ、いい意味で偉大なるマンネリじゃない?だけれども、その中で毎回新しい発見をしたいなっと。
今年は7月に池田先生の作品に携わる機会があって、ハマキヨとはまた違う芝居をすることが出来たから、その流れでまた新しいハマキヨの風を吹かせられたらな。と思ってます」
「今年のテーマは“映画”ですが…」

キヨ「待ってました!って感じだよね」
ハマ「キヨちゃんは、本当に映画アホみないにみるからね〜」
キヨ「今まで色々なテーマでしてきたけど、気が付かなかったからね(笑)」
ハマ「“映画”を“芝居”にするって発想がまずないよね…」
キヨ「そうそう」
ハマ「ジャンルがさ、まったく別ものって思っちゃうもんね」
キヨ「“声優”までいって、“映画”に行かなかったっていうね」
ハマ「だから、そこが、池田マジックみたいなさ」
「そんな想像もつかない“別ジャンルの映画”が、舞台になったら、どんなものになりそうですか?」
キヨ「あの先生は、映画というか名作マニアだからさ、その知識をどういう風にハマキヨで料理するのかっていうのが楽しみだよね」
ハマ「そうだよね。たぶんさ、今までのパターンからいうとさ、観に来た人は得をするね。」
キヨ「うんうん」
ハマ「何を言いたいかっていうとさ、必ず“勉強のシーン”っていうのがあるわけよ。時にはインチキもあるけどさ(笑)」
キヨ「歌舞伎の時とかね(笑)」
ハマ「そうそう(笑)時にはそういうこともあるけど、コンパクトにゼミとか塾で聞くように、あ、池上先生の授業みたいにさ…
んで、池田先生の書くセリフって、すーってお腹に入るんだよね。だからさ、ボケーッと聞いてもらって、すげー豆知識を持って帰ってもらえると思うんだよね」
キヨ「ですね」
ハマ「ま、憶える僕らは大変だろうけどさ(笑)」
キヨ「ははは…」
ハマ「だから、あの『花鳥風月堂』
(注1)みたいにさ、わかりやすく知識を持って帰ってもらえると思うんだよね」
キヨ「そうだね。それとさ、焦点をどこに持っていくかだよね…」
ハマ「全然予想つかないけどね…」
キヨ「そうそう。作り手側なのか、作品寄りなのか…」
ハマ「僕は、発想が貧困だからな…」
キヨ「まあ、タイトルが“監督”だからね、張り切りしゃかりき監督が出てくるのかな(笑)」
ハマ「ふふふ」
キヨ「落語とかさ、歌舞伎とか、漫才とかの時はさ、インチキであってもそれを魅せるワンシーンがあったじゃない。
今年はさ、たぶんそれがないからさ、物語だけでみせていくでしょう。」
ハマ「そうだよね〜」
キヨ「それをさ、どういう風に見せ場を持ってくるのか楽しみだよね」
ハマ「僕たちもわくわくするところだよね」
「今年は先生から“一段上げる”と言われたとお聞きしましたが?」
ハマ「それこそ、さっきキヨちゃんが言った偉大なるマンネリズムをやってるんだけど、観てくださってるお客様も見慣れていただいて、なんていうか…お客さんも観るレベルが上がってる。
なのに、僕らがずっと同じレベルでやってると、「あれ?」ってお客さんが思うときがある。だから、そういう時に『一段上げるんだ』というのが先生から言われたことです。」
キヨ「以前、そう感じた作品があって、その時も「一段上げる」って言われたよね」
ハマ「そうそう、『オチの後で…。』その時、見事にあがったよね。お客さんにも言われたし…
で、そういう時に、書く側が、そのお客さんよりさらに上がらないと、お客さんが「何また同じことやってんの?」って飽きちゃうからって…」
キヨ「ハマキヨ10年以上やってるけど、それまでは、どうしても初演と再演の『観客不在』のインパクトがあまりにも強くってね…
それに匹敵するぐらいの感覚を『オチの後で…』とかで味わったもんね」
ハマ「もちろん、僕らも役者として上がらないといけないんだけどね」
キヨ「そうだね」
ハマ「そういう意味では、2段目?3段目?の段階だから、僕らも楽しみですよ」
「ハマキヨのお二人は、プレシャーを感じることはあるんですか?」
キヨ「あるよ、もちろん」
ハマ「ここんところね、立て続けで観た芝居が、もうねぇ全部良くてね〜」
キヨ「浜さんうらやましいな…」
ハマ「ちょっとプレシャーを感じてるから、また膵炎なんないかな?とかね…(笑)ホント外れがないんだよ、ここんとこ」
キヨ「この前二人で観た芝居もさ、役者の腕が良くてさ、鳥肌もの。“職人芸”魅せてもらったって感じだったしね」
ハマ「そう、倒れたね。で、その人から『ハマキヨ楽しみにしてます』なんてメールもらっちゃってさ…もうね、地獄のプレシャーだよ(笑)」
キヨ「(笑)僕たちもそんな風に言われたいね(笑)」
ハマ「でも、良いプレッシャーに変えたいね、膵炎に行かない方向のさ(笑)」
キヨ「(笑)そうそうそう!そこだよ。ハマキヨはやっぱ」
ハマ・キヨ「楽しんでなんぼだからさ(笑)」(同時にいいますか…そこ(笑))
キヨ「演者もお客さんも楽しめるのがハマキヨだからね」
ハマ「僕ね、今から稽古場で『腹いて〜』って言いたい。ホントに面白い芝居って、稽古場で腹痛いんだよね」
「笑いすぎてってことですよね(笑)」膵炎ではなくて…」
ハマ「シャレになんないから(笑)」
キヨ「しかも 膵炎はね、背中いたいから(爆)」
ハマ「おっかしぃな〜ってね(笑)」
キヨ「あのね、垂れない汗ってあるんだよ(笑)」
ハマ「それ、蝋?みたいなね(笑)」
一同爆笑
まだまだ続きます…ひとまず〜その1〜はここまで…
注1…現在(2012年)毎週金曜22時からNHK教育で放送中の池田政之脚本の番組
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